淇奥
(きいく)

作品名  淇奥
収載書名 『詩経』「国風・衛風」 
訳者名  白川静
訳書名 『詩経国風』(『東洋文庫』518)
刊行年代  1990
 その他  領主たる君子をたたえる歌。
 
瞻彼淇奥
緑竹猗猗
有匪君子
如切如瑳
如琢如磨
瑟兮僴兮
赫兮咺兮
有匪君子
終不可諼兮

瞻彼淇奥
緑竹青青
有匪君子
充耳琇瑩
会弁如星
瑟兮僴兮
赫兮咺兮
有匪君子
終不可諼兮

瞻彼淇奥
緑竹如簀
有匪君子
如金如錫
如圭如璧
寛兮綽兮
猗重較兮
善戯謔兮
不為謔兮
 
 
彼の淇奥
(きいく)を瞻(み)れば
緑竹 猗猗
(いい)たり
(ひ)たるある君子
切するが如く瑳
(さ)するが如く
(たく)するが如く磨するが如し
(しつ)たり僴(かん)たり
(かく)たり咺(くわん)たり
匪たるある君子
終に諼
(わす)るべからず

彼の淇奥を瞻れば
緑竹 青青たり
匪たるある君子
充耳
(じゆうじ) 琇瑩(しうえい)
会弁
(くわいべん) 星の如し
瑟たり僴たり
赫たり咺たり
匪たるある君子
終に諼るべからず

彼の淇奥を瞻るに
緑竹 簀
(さく)の如し
匪たるある君子
金の如く錫(しやく)の如く
圭の如く璧
(へき)の如し
寛たり綽
(しやく)たり
重較
(ちようかく)に猗(よ)
善く戯謔
(ぎぎやく)すれども
謔を為したまはず
 
 
淇の川くまを瞻るに
竹うるはしく茂りたり
うるはしき徳ある人は
切り出しやすりかけ
玉うちて磨くごと
ほこりかに おほどかに
かがやかに 姿たけく
うるはしき徳ある人は
とはに忘れかねつ

淇の川くまを瞻れば
竹うるはしく青みたり
うるはしき徳ある人は
耳玉にうつくしき玉
冠の玉は星のごと
ほこりかに おほどかに
かがやかに 姿たけく
うるはしき徳ある人は
とはに忘れかねつ

淇の川くまを瞻れば
竹うるはしく簀のごとし
うるはしき徳ある人は
金の如く錫の如く
圭の如く璧の如し
ゆたけくてのびやかに
腕かけによりたまふ
戯れを好みたまへど
わるふざけはしたまはず
 
 詠いこまれた花  タケ
 この詩は、古来「(衛の)武公の徳を美(ほ)むるなり。又其の能く規諫を聴き、礼を以て自ら防ぐ。故に入りて周に相となる。美めて是の詩を作れるなり」(詩序)と伝えられる。武公は、平王の771B.C.、戎を平らげた功を以て公に命じられている。



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